◎キュレーター
美術品に心を動かされ、美術品から特殊な能力を借り受け、美術品だけでなく人間までもを襲う「風化」から人々を守る職業の名称。
この職業の形態は近年20∼30年の間に急速に整えられ世間へと知れ渡った職業である。
そのため、世間からのイメージ戦略のため、風化被害防止のため、そして美術館の広報活動のためにメディア露出を多く行っている美術館やキュレーターもいる。
中には美術連から依頼されるキュレーターも。
国からの福利厚生が厚い職業として名を挙げられることが多くなってきた職業だが、風化との戦闘がこの数十年右肩上がりに増加する中、それに比例して殉職率も高い職業として知られている。
キュレーターは風化から美術品と人々を守る役割と同時に名前の通り「学芸員」の役割も担うため普段は所属する美術館での勤務が求められる。
関東圏でキュレーターとして活動している人のほとんどは
・国立西洋美術館(後述)
・根津美術館(後述)
のどちらかに所属しており二大巨頭とされている。
しかし、美術館所有ではなく個人所有の美術品から能力を借り入れることももちろんできる…が、その数は前述二つに所属しているキュレーターよりもかなり数が少なく収入も安定しないためアウトローである。といえるだろう。
また、キュレーターが契約できる美術品は2作品までであり、3作品以上と契約することができたキュレーターは確認されていない。
キュレーターには美術連(後述)によって定められる階位があり、実力や能力によって割り振られる。(階位の欄にて後述)
◎ユダ
美術品から借り受けた力を使い犯罪などの悪事に手を染める人々のこと。
・元々キュレーターとして活動していたが不祥事を起こしユダとなる者
・端から悪事に使うつもりで美術品に近づく者
きっかけは様々あれど、すべて近年厳罰化が進む「風化関連犯罪」の懲罰対象である。
キュレーターは風化討伐とともにユダを捕らえることも業務内容に含まれている。
生死は問わない。
生け捕り、死体問わず美術連まで届け出ることが定められている。
西洋美術館や根津美術館、その他大きな美術館でキュレーターによる犯罪が行われたと発覚した場合、その美術品との契約切りが執行され能力が使えなくなる。
しかし個人所有の美術品などはそうもいかないためユダの数は一定数から推移していかないのが現状である。
【契約作品は紛失・焼失作品推奨です。】
◎風化
美術品や建造物、ひいては人類が積み上げてきた文化、そして人類の存在までも脅かす経年劣化の具現化であり人間や生態系のどこにも分類がない怪異。
被害総額は単純な風化による被害のみで年間2000億円にものぼると算出されており、風化に関連した自然災害なども含めれば更に被害が大きいことは火を見るよりも明らかである。
風化の存在が初めて確認されたのは資料に残っている上では65年前。
当初はオカルトの類いだと考えられていたが今から54年前に風化の群れによる新宿駅、渋谷駅、上野駅襲撃事件が発生。
朝の通勤ラッシュ時という事もあり死傷者は全体で約15万人強とされ、世間の認知が広まり対策がとられることとなった。
ここで対策を取るために公共団体として設立されたのが「美術連(後述)」である。
美術連によって風化の強さ、能力、被害度から総合的に鑑みてランク付けされる。そのランクは美術連公式HPにて都度更新されだれでも閲覧可能。
ランクが高いほど知能が高い、またはその個体のみで甚大な被害を及ぼす危険性を持っているとされ、知能の高い個体は人間に擬態し生きることも可能。
〇ランクについて
・名前付き
知能を持ち、危険度が高い、もしくは特殊な個体を識別するためにそれぞれに名前を付けている。
基本的には美術連が名づけ、それをキュレーター内で共有し使うことが多いが、風化本人が名乗りそれを採用する場合も少なくない。
以下のように昇順でランク分けがなされている。(レベル5が強くてレベル1が弱い)
・レベル5
強さとしてはキュレーターであれば徒党を組んだゴールドや傑作と肩を並べるほど。
54年前の襲撃事件を首謀したのもこのレベルの風化である。
そのことからもわかるように高い知性や攻撃性、能力を持つ場合が多く最も危険視され、警戒されているレベルである。
・レベル4
このレベルの個体が発見された場合、美術連から該当地域へ警告が出されキュレーターへも通達が行くようになっている。
風化の戦闘能力とともに、風化の能力にて引き起こされる危険性がある二次被害にも気を付けながら戦闘をする必要がある。
また、人質を取っての交渉などを持ち掛けてきた風化の事例もこのレベルからみられる。
・レベル3
ブロンズが一人で討伐できれば一人前だと認められるレベル。
一般人では到底太刀打ちできない確実に無機物や動植物だけでなく、人間を襲ったことのあると考えられるほどの力を持った個体。
特殊な個体以外で知性を持ち始めるのもこのあたりからである。
・レベル2
野生動物と同じぐらいの強さまで成長した個体。
人一人の力では逃げ切ることがやっとであり一般人の腕力だけではどうにもできなくなってくるのはここからである。
・レベル1
風化としての本能に従って人間を襲うが一般人の微弱なマナと腕力でなんとか追い払えてしまうほど弱い存在。
成りで使えるような風化キャラはこの世界では特殊な風化に当たります。そのためキャラシートには「名前付きのレベル◯」という記載をお願いいたします。
風化の主な栄養はその事物が持つ崩壊までの残りの時間である。
この栄養を取らないと弱体化し、どの個体であっても衰弱死をする。
美術品であれば風化して価値がなくなるまでのタイムリミットを。
人間であれば寿命であったり人の記憶などから少しずつ気づかれない程度に栄養を取る。
とればとるほど力の増幅につながるとされ、人間の場合新しい記憶から吸われていくため、認知症のような状態になるため注意が必要。
弱らせた人間は死体も残らないほど食べつくされる。
力の弱い風化ほど抵抗しない美術品や動植物を狙う傾向にあり人里から離れた場所にて力をつけていくのが近年の社会問題として取り上げられている。
◎能力
キュレーターまたはユダ達が美術品たちから借り受けた特殊能力のこと。
契約できる作品数の上限が2作品までであることに起因し、持てる能力の上限は2である。
しかし身体に負荷がかかりやすいことから契約数並びに能力数は1つをおすすめする。
行使するには体内にあるエネルギー「マナ」を使用する。
「マナ」はゲームで言う所のいわゆるMPでありマナの量は個人差がある上、人為的に量を増やすことはできない。
美術品たちから能力を借り受けると同時にマナの増幅が確認されておりマナの力よってキュレーター達は風化に対抗できる基礎能力を得られているというのが通説である。一般人は風化を倒せないがキュレーター達は風化を倒せるという違いは根本を詰めればここにあるといえるだろう。
マナは普通の一般人には感知できない。
しかし、実力不相応な風化との戦闘で命を落とすキュレーターを一人でも減らすためにキュレーターになるための研修第一回目にてマナ探知研修が行われるため、キュレーターのほとんどは雰囲気でマナの総量をざっくり図ることができる。ギフテッド(後述)の人間は頑張ってもここ止まりで、一生かかっても探知できない人もいる。
逆にマナに身体が慣れてきたゴールド以上になればぱっと総量を判別できるようになる。
能力に関しては、美術品に由来するものが多いが本人の適正によって由来から、かなり形を変えた能力として発現することもありマナの存在とともに研究対象とされている。
現在、能力を借り受ける事ができた美術品は1949年以前に制作されたものに限られておりいわゆる現代美術とは契約できない。
この現象について一説では風化から自衛をする期間が他作品よりも少ないためではないかと考えられている。
◎根津美術館
江戸、明治、大正、昭和と4つの時代を生き、その生涯をかけて根津嘉一郎が蒐集した日本や東洋の古美術品が多く展示されている美術館。
その展示内容に違わず和モダンな館内と4つの茶室がある庭園。そして表参道駅から徒歩5分という立地から根強い人気がある私立美術館である。
私立美術館という事もあり国立西洋美術館と比べると多少人数、地位が劣る。
しかし、階位ごとの人数で言えばブロンズが一番少なくシルバーの層が厚い壺型の分布になっている。
この美術館にはコレクション柄、良く言えば愛国心が強く古風な人、悪く言えば古臭い人も少なからず所属しており西洋美術館に対してライバル視をしている人も多い。
また、そういった人は美術連の階位(後述)に対してあまり良く思っていないらしく冠位十二階に由来する
・ゴールド=紫
・シルバー=蒼
・ブロンズ=朱
を用いて名乗ることもあるため覚えておいたほうが良いだろう。
◎トーキョーアートメゾン(TAM)
美術館独自の所蔵作品を持たず、コンセプトに沿った「企画展」を、世界各国の美術館、博物館、個人収集家の協力のもと行っている少々特殊な美術館。
世界各国から著名な作者の作品や有名作品が集まることから注目度が高い新進気鋭の東京都立美術館である。
1年間、同一コンセプトを元に3つのテーマを軸に企画展を開催することが定例となっており今年のコンセプトは「古代文明と比較芸術」
・「古代エジプトの栄華」
・「古代中国文明の発展」
・「メソポタミア文明と水」
以上3つの企画展が開催されている。
また、この3つの企画展はイギリスでの開催を皮切りに世界中での巡回展が予定されている人気企画であり、日本ではこの東京会場の後に、札幌、大阪、福岡を巡回予定である。
所属するキュレーターの特徴として挙げられるのは2点。
① 国外から企画展に伴って出向してきた国外キュレーターが多いこと。
② 世界中を巡回するという企画展の特徴から若手キュレーターの登竜門的立ち位置にあり階級だとブロンズ、シルバーに割り振られる20代キュレーターの数と、それらを統率、牽引する40.50代のベテランキュレーターが多いこと。
また、各企画展ごとにキュレーターのトップが1人。
3企画展中のトップのうち
一人がコンセプト長(館長)
残りのセクションの二人が副館長を務めている。
〇各企画展説明
「古代エジプトの栄華」
エジプト美術をはじめとして近代にいたるまでの装飾品や壁画についての展示がされており比較して鑑賞できる企画展となっている。
この企画展に大きく寄与している……いや、多数の美術品を出展しているのは「大エジプト博物館」だろう。
つまり、この企画展に伴って日本へ出向してきたキュレーターも「大エジプト博物館」の人間が多数を占めている。
「古代中国文明の発展」
・中国美術はもちろんのことシルクロードを経由し流入した中東文化まで幅広く展示されている企画展である。
中国美術が中心とはいえ他企画展と比べかなり国際色豊かで展示物自体も絵画、彫刻にとどまらず染織物、陶器、鎧などバラエティに富んでいる。
そのためこの企画展に出向しているキュレーターも国の枠を超えて手を取り合っている。
「メソポタミア文明と水」
・メソポタミア美術と聞くと日本ではあまり聞きなじみがないかもしれない。数千年にわたり独自の繁栄を誇った当該文明が育んだメソポタミア神話の絵画をはじめとしてギリシャ神話、ローマ神話、さらにはケルト神話など様々な神話にまつわる美術品たちと、それらを育んだ河、海を題材とした作品などストーリー性のある企画展となっている。
上記2つの企画展とは異なりここは世界的にも大きな美術館……具体的にはフランスの「ルーブル美術館」やアメリカの「メトロポリタン美術館」などその他有名美術館からの出向が多いことも特徴だろう。
◎階位
美術連が定める規定によってキュレーターは実力や実績によって階位がつけられる。
・ゴールド
折り紙付きの実力を持ったエリート集団。
美術への愛もさることながらその確かな実力から日々多くの「風化」から人々と美術品を救っている。
多くの美術館ではこの階位の人間が館長の椅子に座っていることが多いため、多くのキュレーター達がまず最初に憧れ目指すのはこの階位にいる人間である場合が多い。
昇格条件はゴールド以上のキュレーター2人からの推薦と美術連が推薦受理してから6ヶ月間のレベル4以上の風化20体または、レベル5の単独での討伐実績またはそれと同等の戦闘貢献実績。
・シルバー
ゴールドに比べると一歩劣るがそれでも堅実な実力がある者たちである。
ブロンズに次いで2番目に多くのキュレーターが属している階位ではあるが通常階位の中では一番殉職率が低い階位でもある。
一般に街に出現するレベル2∼3程度の風化討伐に駆けつけるのはこの階位の人間であり、メディア露出も多い。
昇格条件はシルバー以上のキュレーター3人とゴールド以上のキュレーター1人からの推薦と美術連が推薦を受理してから8カ月以内にレベル3以上の風化45体の討伐かつレベル4以上の風化4体の討伐実績または、それと同等の戦闘貢献実績。
・ブロンズ
1番多くのキュレーターが属している階位であり、1番殉職率が高い階位。
まだ絵画から力を借り受けたばかりのニュービーから昇格を狙ってどんどんと討伐実績を積み重ねていく人まで様々であり、多くの人は仲間の死や凄惨な風化被害の現場に耐えられずに職を辞す人も当たり前だが多い。
職業柄、簡単にやめることはできないため力を借り受け続けながらもシルバーやゴールドの補佐をやっていることも少なくない状況。
これらの階位とは別にほかのキュレーター達とは頭一つ抜けた、ずば抜けて力のあるキュレーターに与えられる位として
・傑作
という階位がある。
日本ではこの職業とシステムが整えられて30年弱。これまで6人がこの位に上り詰め、現在は4人が日々全国を巡り「風化」を狩っている。
キャラクター作成的な側面での話になると傑作はこの成りきり部屋の「強さの天井」であり「チートが跋扈することの防止弁」です。そのため部屋主は傑作キャラクターのキャラクターシートを血眼で舐めるように見ます。ご了承ください。